作り手と売り手、どちらが優位にあるのかは流通関係の業界紙に携わってきた経験からもなんとはなくわかる。
家電メーカーと家電量販店の関係もしかり。
わかりやすい例が、量販店にいくとメーカーの担当者が出向していること。
ここではそうした商慣習や仕組みについて深く論じるつもりはない。
あくまでも一消費者としての経験に関する感想であるから。
家電量販店においてこれからの季節、目玉商品になるのがエアコン。
第1報で報じたように業界大手であるダイキン工業のエアコンを購入して見事にハズレくじ。
買ってすぐに不具合を起こし、ダイキンに修理依頼をすることになってしまった。
修理を依頼したのは5月28日の夜。修理予約日は6月3日。
購入者からの希望は新品との交換であったが、ダイキンの返答は修理担当者が状態を見てからの判断とのこと。
メーカーとしては顧客対応のマニュアルどおりであろうから、まったく問題ないといったところだろう。
だけども、購入者側としては買ってから数回しか使用していないにもかかわらず、不具合を起こした製品にたいする不信感は払拭できないというもの。
そこで5月29日に第1報を書いたあとにとった私の行動。
購入した家電量販店にエアコンに不具合があったことを報告。
販売店にエアコンの不具合を報告しておく旨は、ダイキンにも伝えてあったこと。その後になにかしらのトラブルが起こったときの予防線のつもりであったが、これが事態を好転させることになった。
購入店は家電量販店大手ケーズデンキの最寄り店。
事情を説明したところ、電話に出てくれた担当者は不安と憤りにわれを忘れつつある消費者に共感。これもマニュアルなのか、社員教育の賜物であるのかまでは判断できないものの、担当者の出した結論は、「新品と交換しましょう」とほぼ即決。
しかも、「在庫を確認しますので少々お待ちください」の折り返し電話は5分後という迅速さだった。
そのうえ新品の交換取付日は最短の6月1日に決定。ダイキンの修理予約日よりも一日早い対応にこちらのほうが恐縮し、感謝をくりかえし述べたことはいうまでもない。
まさに救世主といっても過言ではないと思ってしまった私であった。
が、販売店にも責任の一端はあるのだから、という見方もできるかもしれない。しかし、ありうべからずの緊急事態といってはいいすぎだが、メーカーや製品にたいする不信感を払拭し、これからの猛暑対策への不安を解消してくれた迅速な対応は、コンシューマー・サティクファクション向上の見本ではないだろうか。
今回で学んだ教訓は、購入した家電製品がなんらかの不具合を起こした場合、メーカーよりも販売店に相談すべきだということ。
ただし、どこの家電量販店もそうかというと、そう簡単ではない。
これも一消費者としての私の経験からいわせていただければ、わが家で家電製品を購入するときケーズデンキのみにしているのは、以前にやはり大手といわれる某家電量販店で不愉快な思いをしたことが多々あったからである。
もちろん、今回のような対応がすべてのケーズデンキ全店舗に共通しているのかどうかはわからない。
しかしながら、少なくともわが家の最寄り店はこれまで10年ちかくかよっているが、買い物時の値引き交渉にも気軽に応じてくれるし、製品選びの際も適切なアドバイスを与えてくれる売り場担当者がとても多く、安心して利用できる店舗であると思っている。
ちなみにわが家では、10年以上まえに購入したダイキンのエアコンを現在も使っている。機能は問題ないのだが、購入して4、5年でリモコンが壊れて使えなくなり、別途購入したという経験がある。
ダイキンのエアコンは他社よりも同型機種と比較し割高であるぶん、耐久性や機能性を含めて評価が高いといわれている。
もしかして、わが家とは相性が悪いのだろうかと思ってしまう。
今度こそはと切に願わずにはいられない。